1976年東ベルリン生まれ。シェーアはドイツ人同世代の中で最も多才な俳優の一人である。演技は独学で、22歳の時にレアンダー・ハウスマン監督に見い出され、1999年『SONNENALLEE(サン・アレイ)』に主演し、一躍有名俳優の仲間入りを果たした。まもなく、ハウスマンとともにボーフムの劇場に招かれ専属となる。その後、ハンブルクのドイツ劇場、ウィーンのブルク劇場などの舞台出演を経て、故郷ベルリンに戻る。2001年からは、フランク・カストルフが演出を務めるベルリンのフォルクスビューネ劇場で、『白痴』『賭博者』『カラマーゾフの兄弟』といった作品の主役を演じるようになる。シェークスピア作品を演じる伝説的イギリス人俳優エドマンド・キーンに扮した『キーン』の演技で、演劇雑誌「テアーター・ホイテ」で2009年の年間最優秀俳優に選出される。
舞台に加えて、シェーアは国内外の映画やテレビに数多く出演している。彼にとって『グンダーマン』は7本目の劇映画で伝記物。近年、演じた実在の人物は『DAS WILDE LEBEN(EIGHT MILES HIGH)』(2007)でローリング・ストーンズのキース・リチャーズ、『CARLOS – DER SCHAKAL(CARLOS THE JACKAL)』(2010)でテロリスト幹部のヨハネス・ヴァインリヒ、『PUNK(PUNK BERLIN1982)』(2015)でロックバンド「アインシュテュルツェンデ・ノイバウテン」のフロントマン、ブリクサ・バルゲルト、『LOU(IN LOVE WITH LOU)』(2016)でのフリードリヒ・ニーチェ、『MARX 2017(マルクス・エンゲルス)』(2017)で元祖コミュニストのヴィルヘルム・ヴァイトリング、そして『GLADBECK(54 HOURS)』(2018)での誘拐犯ディーター・デゴウスキ等がある。
1985年イタリアのボルツァーノ生まれ。2005年から2009年までウィーン音楽院で演技を学びながらコッティングブルン市のサマーフェスティバルで舞台デビューし、ウィーンのドラッヘンガッセ劇場に出演。さらにザルツブルク州立劇場、クラーゲンフルト市立劇場、ボルツァーノVBB劇場などの舞台にも立つ。また在学中にウルス・オーダーマット監督の『MEIN KAMPF(我が闘争 若き日のアドルフ・ヒトラー)』(2009)でグレートヒェンを演じ、「ドイツ映画の新たな才能奨励賞(Förderpreis Neues Deutsches Kino)」にノミネートされる。主な出演作はオスカー・レーラー監督の『JUD SÜSS(JEW SUSS: RISE AND FALL)』(2010)、デトレフ・ブック監督の『DIE VERMESSUNG DER WELT(MEASURING THE WORLD)』(2012)、オリヴァー・ヒルシュビーゲル監督の『ELSER(ヒトラー暗殺、13分の誤算)』(2014)。ヴォルフガング・ムルンベルガー監督作テレビドラマには2016年の『ACHTERBAHN』、2017年の『STEIRER KIND』で2度出演している。
1968年東ベルリン生まれ。
1984年から1986年までベルリン国立歌劇場で大道具制作の専門教育を受けた後、1991年までフォルクスビューネ劇場で舞台技術者として働く。その後エルンスト・ブッシュ演劇芸術大学で学び、1997年から2008年までフォルクスビューネ劇場のアンサンブル専属として、フランク・カストルフやディミター・ゴトシェフ演出の作品に出演。2003年にはハンブルク市のタリア劇場に客演、2007年からはベルリンのマキシム・ゴーリキー劇場等で自ら舞台監督も務める。また、数々の映画、テレビドラマ、放送劇にも出演。
2010年には人気のTVシリーズ『Tatort(事件現場)』でドイツ犯罪ドラマ特別賞、ヘッセン州テレビ賞を受賞。2012年アンドレアス・ドレーゼン監督の『HALT AUF FREIER STRECKE』でバイエルン映画賞、ラス・パルマス国際映画祭の最優秀主演男優賞、さらにドイツ映画賞最優秀主演男優賞を受賞する。
1954年テューリンゲン生まれ。
1970年から1973年まで東ベルリンのエルンスト・ブッシュ演劇芸術大学で学んだ後、マクデブルク劇場で舞台デビュー、とりわけ『ハムレット』のオフィーリア役で評判となる。1年後にはポツダム市のハンス・オットー劇場のアンサンブル専属メンバーとなり、『聖ヨハンナ』『こわれがめ』『三姉妹』『公子ホンブルク』『真夏の夜の夢』等、数多くの文学作品で主役を演じる。その傍ら、東ドイツ国営デーファ社の劇映画、ゲーテの『若きヴェルテルの悩み』(1976 監督エーゴン・ギュンター)や、モーパッサン原作のテレビドラマ『Ganz in Familie』(1987)等にも出演し、個性的な演技を見せる。
転換期以降は、2002年までベルリンのドイツ座専属俳優として、またポツダムやヴィースバーデンの劇場の客演をこなすが、1990年代後半からは特にテレビドラマの出演が増える。その他、放送劇とりわけ児童向けメルヘンの声優として、また文学作品の朗読者としても名高い。『GUNDERMANN』のヘルガ役で、2019年ドイツ映画賞最優秀助演女優賞を受賞。