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敬称略・順不同

心の中は揺れ動く。
厳しい制度と自由な心の
激突と矛盾。

その手を焼くほどの自分自身と
向き合ったのがグンダーマンだった。
演じたアレクサンダーが素晴らしい。
ずっと心に残る。

加藤登紀子(歌手)

労働者のヒーローは、
秘密警察のスパイだった…。
裏切りと背中合わせに人々が生きた時代。
「状況」が人間をとんでもなく
おかしくする構造を
体験してほしい。

曲がり角を曲がったすぐ先に
あるかもしれない世界を。

三浦瑠麗(国際政治学者)

『善き人のためのソナタ』
を観た時にも感じた、
内容とは裏腹のなんとも心地良い感覚。
本当に良い映画とは
こういう映画なんだろうなぁ。

派手な演出もなく淡々と
丁寧に積み上げられている。
良質なブランデーを
頂いた気分です。

滝藤賢一(俳優)

なんだか(わたしが想像している)
東ドイツの「空気」が如実に
伝わってくるような映画

そして1980年代東独デーファ・
フィルムの最良の作品

が持っていた感触を
見事に受け継ぐような映画。

明石政紀(著作家・翻訳家)

「密告社会」東ドイツの
実態を活写した映画は数あれど、
このように、さしたる
悪意も権力欲も怨念もなく、
そこそこの良識に満ちた状態で
「権力に魂を売った」人間を
中軸に据えた映画は
無かった気がする。

しかしこれこそ、
今後もっと深掘りされるべき
内面的真実
ではなかろうか。

マライ・メントライン
(翻訳・通訳・エッセイスト)

東西ドイツの統一は、決して
ハッピーエンドではない。

ベルリンの壁崩壊から30年余り。
グンディの楽曲を通して、
東独に生きた人々の苦悩が胸に迫る。
昨日より今日、
今日より明日が素晴らしい
と思える世界を願う。

増田ユリヤ(ジャーナリスト)

ブルー・カラーのロック系
シンガー・ソングライターであることから
ブルース・
スプリングスティーン
を連想しますが、
旧東ドイツに
こんな人が実際にいたとは。

政治的な背景も含めて大変面白い作品です。

ピーター・バラカン

矛盾と葛藤、
強く惹かれる真の感情に
逃げず向き合った人

その繊細で強固な姿に胸を打たれる

シシド・カフカ

音楽が人をぐるっと回って
響く手触りがあって、
観る者の魂に
ぐいぐい迫ってくる。

この主人公は確かにその時代を生きたのだ、
というリアリティが映像に降臨する。
不思議な残照が
心にかかる傑作だ。

茂木健一郎(脳科学者)

人は過ちを犯す。だから、切なくも愛おしい。
グンダーマンは、人を体現しながら、
一方で天使の眼をもって魂の詩を謡いあげる。
ケン・ローチを想わせる眼差しで、
矛盾に満ちた社会と人間を描いた珠玉の名作だ。

安藤紘平
(映画作家・早稲田大学名誉教授)

詩人として真実を語る一方で、
人々のことを密告する、
グンダーマンの人生の謎に
身を投じたドレーゼン監督は、
社会の変化に翻弄される人間の悲劇と、愛の恢復を同時に描き、
無骨な魂が息づく映画を生み出した

上原輝樹(OUTSIDE IN TOKYO)

そこには、東洋の島国で“のうのう”と
暮らしている我々には理解不能な、
抗えない現実と葛藤する
市井の人々の声を代弁する歌
があり生き様がありました。

短い生涯を“不条理”と戦いながら
精一杯生きた
“トルバドゥール”グンダーマンに僕は、
人気絶頂期に「ネブラスカ」
という問題作を提示した
ブルース・
スプリングスティーン
を重ねあわせてしまいました。

”いのちの歌”がここにはたしかにあります。

佐橋佳幸(ギタリスト)

告白してしまうという行為も凄まじいが、
利用していた、されていた、
そして自分も知らぬうちに
使われていた、操られていた

という数々の言葉が脳裏を
横切っていく衝撃的な映画であり、
他山の石としても身につまされる思いにさせられた。

PANTA(頭脳警察)